医師通勤ヘリ(長 隆)
?『医師通勤ヘリのテスト飛行 留萌へ35分、一足飛び=北海道』・・報道は正しいが自治体関係者の感想は誤っている。
2007.07.27読売新聞 東京朝刊
『解説』・・・・自治体、重い負担2000万円。課題・・最大の問題は、財政の厳しい自治体が多い中、ヘリ利用で年間約2000万円の負担金を払えるかどうかだ。
この意見は誤っている。
2006年4月19日 総務省自治財政局長の知事宛『地方公営企業繰り出し金・・通知
第6 病院事業
2・へき地医療の確保に要する経費
(2)繰り出しの基準
地域において中核的役割を果たしている病院が、巡回診療車、患者輸送車等!を備えて巡回診療を行なうために必要な経費等のうち、その経営に伴う収入をもって充てることことが出来ないと認められるものに相当する金額とする、となっているから自治体の負担でなく国が負担するからである・・・離島に車ではいけない。船よりヘリの方が早く安い・・認められる!
◆自治体、重い負担2000万円 「理想24時間」「検討したい」
離島や過疎地域にヘリコプターで医師を通勤させる民間会社「日本ヘリ共同運用機構」(東京)が、北海道での事業展開を目指し、日本海の天売・焼尻島周辺で試験飛行した。医師不足に悩む道内自治体の救済策となれるか??。同乗取材して、課題を検証した。(酒井麻里子)
運用機構代表の長隆さん(66)、機構北海道代表の森井秀明さん(34)、医師派遣会社のPR担当者の3人と一緒に搭乗した。東京方面から新千歳空港に到着した医師が、留萌地方まで行くのにかかる時間の計測が目的の一つだ。
新千歳空港はヘリの乗り入れができない。このため、車で千歳市に隣接する胆振・安平町まで約30分かけて移動した。ヘリポートはただの空き地だった。
この日は朝から曇っていたので心配だったが、ヘリは雨や雪で視界が悪くならない限り飛べるという。地上約500メートルから、眼下に空知地方の街を見ながら、留萌市立病院まで約35分で着いた。追い風もあって、時速約250キロ出ていたという。車だと約2時間半かかる距離だ。
■医師の反応は
留萌に到着後、主目的である医師らのヘリ搭乗が行われた。乗ったのは、市立病院の研修医幅田周太朗さん(27)と、実習中の北海道大医学部6年小林健太郎さん(23)。飛び上がると、わずか17分で天売島に着いた。フェリーなら最短で1時間はかかる。
ヘリ初体験の幅田さんは「若い時は症例を多く経験したいから、大きな病院にいたい。派遣されるシステムが確立すれば、ヘリ通勤は移動距離が少なくていいのでは」と言う。反応は悪くないようだ。
ヘリ会社はどうか。朝日航洋札幌航空支社の庄島広孝支社長(44)は「ヘリ会社の業務は、自治体の防災ヘリやドクターヘリ、電力会社の送電線点検など限られている。頻度によるが、医師派遣は新たな事業開拓になる」と期待を寄せる。
■課題
最大の問題は、財政の厳しい自治体が多い中、ヘリ利用で年間約2000万円の負担金を払えるかどうかだ。
医師不足に悩む空知地方のある自治体職員は「24時間いつでも駆けつけてくれる医師が理想で、ヘリで来る医師は無理だ。臨時の医師にそこまでお金はかけられない」と話す。ヘリの運航が天候に左右されるのも心配という。
一方、道北地方の自治体職員は「救急業務で医師は疲れ切っている。今いる医師に残ってもらうため、当直勤務などでヘリ通勤を検討してもいいのでは」と話す。
実際に都会の医師が乗ってくれるかも課題だ。東京勤務の長い30歳代の内科医は「大きな病院に勤める場合、週1、2回、当直や外来などのアルバイトをするのが通常。賃金が高いなど、北海道に行く価値があるかが基本だ」と話す。大阪の30歳代の内科医は「知らない病院では何が起きるか分からない。救急医や経験豊富な総合医でないと難しいのでは」と指摘した。
長さんは「東京は医師が多くて過当競争状態だが、地方勤務は避ける傾向がある。地方の医師不足が解消されるよう、少しずつ仕組みを作りたい」と話した。
〈医師の通勤ヘリ〉
「日本ヘリ共同運用機構」は6月に設立された。医師専門の人材派遣会社と連携し、全国の医師に登録を呼びかける。同社と契約したヘリ会社のヘリが、登録医師を派遣先の自治体病院に送り届ける仕組み。派遣を受ける自治体は年間約2000万円の登録料が必要となる。
ドクターヘリと違い、医師の通勤手段としてヘリを使う。例えば、週末の当直勤務として、東京から飛行機で道内空港入りした医師を、過疎地の病院にヘリで送り、勤務後にヘリで空港まで送り届ける??など。