2007.12.17

北海道 救命救急センター整備・2機目以降のドクターヘリ導入へ向けて

 6つの3次医療圏を抱える北海道では、これまでに10ヶ所の救命救急センターを整備してきた。しかし、広大な北海道で搬送体制の強化を図るためには複数のドクターヘリ導入が必要だとする道内医療関係者の声も強まり、北海道は新たな救命救急センター設備のあり方と2機目以降のドクターヘリ導入についての調査を今年7月に実施した。

 今回調査した項目は、24時間対応可能な診療所、救急専用病床数、勤務体制、重篤救急患者の受け入れ状況の4項目と、道内すべての消防機関に対する重篤救急患者の搬送状況。結果、大学病院の2病院を含む8病院が、24時間対応可能な7科以上を有し、新型救命救急センターのA評価に該当する重篤患者250人以上を受け入れており、現行の新型救命救急センターと同等程度の医療機能を有していることが明らかになった。

 また、救命救急センター以外の病院が広域な救急医療を行なっている実態が浮き彫りになった。

 さらに、現在ドクターヘリが運航されている道央圏以外の22病院に対して、ドクターヘリ導入の必要性について聞いたところ、20病院が「必要あり」と回答。道央圏での運航実績を評価し、他圏域での導入を求めていること、ヘリポートの設置、費用面などの条件・懸案事項が解決されれば導入可能な体勢にあることが明らかになった。既に、釧路・根室地域では、導入に向けて「釧路ドクターヘリ運航調整研究会」が組織され、デモフライトなどが行われている。

 消防機関による搬送状況は、道内の昨年1年間の重症等救急搬送患者件数は1万9476件。消防機関が覚知してから病院までの搬送時間は、30分未満が52.4%と半数を占めたが、60分以上かかったのが10.2%、120分以上が1.8%あり、他圏域への依存度が高いことが示された。圏域外搬送が20%を超えてかつ長時間搬送も多い、南檜山、日高、宗谷、根室の4圏域について「救命救急センター整備、ドクターヘリ導入の検討が必要」と判断し、11月に開催された北海道総合保険医療協議会(総医協)救急医療専門委員会に調査結果を提出。

 調査結果の報告を受けた総医協救急医療専門委員会では、「特に、道北地域と根室釧路地域については搬送体制の強化が急務だ」、「広域な北海道では他都府県とは事情が異なり、複数のドクターヘリが必要だと国に強く要請すべきだ」などの意見が相次いだ。

 ただ、国はドクターヘリ導入を救命救急センターであることを前提条件としており、今回の調査結果を皮切りにさらに各種データをそろえて、データに基づいた総医協での議論を深めることで、救命救急センターの新たな整備を図り、ドクターヘリ追加導入の必要性を国に強く求めていきたいとしている。