2007.07.06

種子島唯一の産科閉鎖へ 支援整わず「継続は危険」 2007.07.06 共同通信

種子島唯一の産科閉鎖へ 支援整わず「継続は危険」 2007.07.06 共同通信

 人口約三万四千人の鹿児島県・種子島で唯一の産婦人科が十二月で診療をやめ、島内で出産ができなくなる恐れが出ていることが六日までに分かった。
 一人でほぼすべてのお産を担当する開業医が、緊急時の支援体制が不十分なことや医療過誤訴訟の増加を理由に、現状での医療継続は危険だと判断したためだ。
 島の一市二町は対策委員会を設置。島内二カ所の総合病院のどちらかに産婦人科を新設することなどが検討されているが、医師確保のめどは立たず、島のお産はピンチの状態。 全国的に医師不足が問題となる中、国内有数の離島で持ち上がった事態に、島民や医療関係者には波紋が広がっている。
 閉鎖を予定しているのは西之表市にある池田医院。島内の年間二百五十件ほどの出産のほぼ百パーセントを、池田速水(いけだ・はやみ)医師(39)が一人で手掛けてきた。
 池田医師によると、緊急時には母親は島内の別の病院に搬送し治療が可能。しかし、島には新生児の治療施設がないため鹿児島県か自衛隊のヘリコプター出動を要請、陸路を含め片道三時間以上かけ鹿児島市内の病院に搬送する。今年は上半期に八回搬送があった。
 ヘリ搬送は手続きが煩雑で、要請した医師側に問い合わせも多く、一人で対応しながら治療に集中するのは困難という。
 新生児用のモニターなど、全身を管理する設備が島内にないことにも常に不安を感じるといい、池田医師は「唯一の産婦人科が救急指定でもない開業医というのは危険すぎる。安全を確保できず中途半端な病院ならない方がいい」と話す。
 「若い世代の定住のためにも産婦人科は必要」とする西之表市などは六月、鹿児島県に医師確保や施設整備を求める要望書を提出。県はホームページや地元医師会で医師を募集する一方、近く種子島の現状を厚生労働省に訴える予定。
 厚労省は「県でどうしても確保できない場合、正式要請があれば国の緊急医師派遣制度での派遣も検討する」としている。
 九月に池田医院で第一子を出産予定の主婦小山綾(おやま・あや)さん(27)は「夫とは、あと二人は欲しいと話している。島で安心して出産できなくなるのが心配です」と話している。

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