2007.06.11

ヘリに医療保険適用を検討 産経新聞

厚生労働省は10日、医師不足解消の有効な手段と期待される「ドクタ
ーヘリ」の普及に向け、運航費用の一部を患者負担として医療保険の適
用対象にする方向で検討に入った。

政府は、救急時の医師派遣や、現場からの患者の搬送が中心だったドク
ターヘリを普及させ、医師不足地域の回診にも利用する構想を持ってい
る。ただ、財政上の理由からヘリコプター導入に冷ややかな自治体も多
く、打開策が求められていた。

医療保険が適用された場合、実際に患者が支払うのは、3割になる。こ
のため運航費用のどの程度を適用対象にするかなどが課題となる。

ドクターヘリは平成13年度に岡山、千葉などが導入。現在は9道県で
10機(静岡県は2機)が運航しており、18年度中に長崎県が配備す
る。

厚労省は、小児科医や産科医をはじめ、全国的な医師の偏在や不足が社
会問題化しており、山間部や離島対策としてドクターヘリの機能強化を
図っている。

その場合、ネックになるのが、財政負担だ。ドクターヘリの運営は、ヘ
リが常駐する病院が行っている。ヘリ賃借料や、燃料費などの運航費用
については、国と都道府県が年間8500万円ずつ計1億7000万円
を補助しているが、これを超える費用は病院の持ち出しになっている。

補助は、都道府県単位で、静岡県のように2機導入しても、増額されな
いうえ、回診などで、出動回数が増えると運航費用がかさんでくる。導
入を促進するには、公的補助の増額がテーマになるのは必至で、財源手
当てが急務となっていた。

そこで、浮上したのが、既に診療報酬となっている「救急搬送診療料」
とは別に、運航費用の一部を医療保険対象に含めることで都道府県側の
補助金負担額を軽減する案だ。

その際、ヘリがない県の保険加入者の保険料が他県のドクターヘリ費用
として使われることへの不公平感が広がりかねない。このため、厚労省
は各県に導入を促すと同時に、近隣3県程度での広域利用も進め、ほぼ
全国をカバーできるめどが立った時点で、構想を具体化させる考えだ。