2007.06.08

やんばる全域に救急ヘリ派遣 北部地区医師会病院 -琉球タイムズ

北部地区医師会病院(高芝潔院長)は2007年6月十六日から、ヘリコプターによる急患搬送事業「北部地区医師会救急ヘリ事業」をスタートする。地元消防や県立病院と連携し、事故などの現場救急に対応。同時に短時間移動が可能なヘリの利便性を生かした同地区内の離島巡回診療を実施する。民間病院が行うヘリコプター急患搬送は浦添総合病院に続き県内二例目。ヘリによる巡回診療は初めて。新たな「空の救急車」の導入で、北部地区の医療過疎問題の解消に挑む。(黒島美奈子)
同事業は県が検討している国の補助事業「ドクターヘリ事業」の導入研究の一環として、同病院が二年間の試行事業で実施する。利用者や自治体への負担はない。

救急ヘリとして使用するのは、航空運航会社「中日本航空」が所有するアエロスパシアルAS355F2型機とドクターヘリとしても使われているEC135型機。

救急搬送は、北部地区の消防署からの要請を受け、同病院に隣接するヘリポートから出動。同地区内の約四十カ所のヘリ発着地で救急車から患者を引き取る。

救急対応の訓練を受けた医師や看護師が、気道や血管確保などの救急処置をしながら、病院に搬送する。

搬送対象は自動車事故や転落事故、疾病などに伴う重症患者や産科救急など。運航範囲は恩納村以北の本島北部地区と北部周辺離島で、飛行時間は約四分から約十六分。搬送は年中受け付けるが、対応は有視界飛行が可能な午前九時―午後五時まで。

事業開始に向け同病院は今年一月に準備室を設置、周辺自治体との連携体制を確保してきた。

五月に救急室を新設。救急ヘリに搭乗する医師は救急部医師のほか産婦人科医、循環器科医の計十人で疾病状況に合わせ専門医搭乗が可能だ。看護師は、県外の救急救命センターで研修を受けた救急部ナース七人が対応する。

救急ヘリ運航調整委員会委員長の小濱正博救急部長は「救急車の搬送時間に一時間以上かかるなど北部地区の救急体制の課題は一向に改善していない。『もう少し早く医師が診ていたら』『もう少し早く病院に到着していたら』救えた命を一つでも多くしていきたい」と抱負を語った。