2007.05.07

置賜病院 つまずく病院再編 朝日新聞 黄色信号報道(2007年5月4日)』

総務省「地域医療の確保と自治体病院のあり方等に関する検討会(2004年11月30日)」その後を検証する 委員 長隆

検討会後の総務省公表の報道資料によれば、「再編が行われた山形県置賜地域(病床数132床減、基幹病院を設置し、それ以外の病院をサテライト化)においても、再編前に比べ、延外来患者数1.9%、延入院患者数4.9%増、医師数29名増等の効果があった。」 とされていた。
私は委員として、効果がないどころか成功例として取り上げることに強く異論を唱えた。副座長の樋口先生・置賜院長先生は賛成して下さったが、残念ながら少数意見で異論は報告書では採用されなかった。

(黄色信号報道) 
2007年5月4日 朝日新聞は、置賜地域の病院再編には大きな誤算があったと大きく報道している。
私は「110床と50床のサテライト2病院には、必要な医師を配置できるはずがない。医師も患者もセンター病院に集中して存続が困難になるから、センター化は良いがサテライトは不要」とした意見が結果的に指摘どおりになった。(患者のセンター集中加速・医師極端な不足)と朝日新聞に黄色信号報道がなされたことを紹介する。
・・・・この記事とは関係ないのですが・・・置賜のサテライト派遣医師も第2・第3の鎌田医師が続出していくのでしょう。
「病院経営には、もう疲れ果てました」あの鎌田医師も疲れ果てて 退職されていたのです・・・。医師と患者・家族の信頼の大切さを描いた「がんばらない」などの著者で、一昨年、諏訪中央病院(長野県茅野市)の院長を退職した鎌田実医師(58)は去り際にそう語った。今は、同病院の嘱託医として診療に当たる鎌田さんは、「医療費削減政策の中で綱渡りの日々が続いた。日本の病院は財政、人員ともに余裕がなさすぎる。がんばりも限界だった」と苦闘の日々を振り返る。
 
(以下総務省 検討会報告書2004年11月30日より抜粋)


自治体病院の再編・ネットワーク化の必要性

○ 個々の病院の問題としてではなく、地域全体で効率的な医療サービスの在り方の検討が重要。特に、例えば二次医療圏単位で、中核医療機能を持つ基幹病院と日常的な医療を確保する病院・診療所に再編するとともに、これらのネットワーク化を進めていくための検討が重要。

○ 自治体病院の再編・ネットワーク化の効果は以下のとおり。
・ 新たな医療ニーズに対応した医療サービスの提供が可能
・ 機能分担による機能の特化により効率的な医療提供が可能
・ 基幹病院への医師の集中により医療の質が確保されるとともに、医師を確保しやすい環境となる。

【参考:既に再編が行われた山形県置賜地域

(病床数132床減、基幹病院を設置し、それ以外の病院をサテライト化)においても、再編前に比べ、延外来患者数1.9%、延入院患者数4.9%増、医師数29名増等の効果があった。】  


平成16年11月30日
総務省 報道資料 検討会報告 要旨


「地域医療の確保と自治体病院のあり方等に関する検討会」報告書

【 概要 】 総務省では、平成16年5月から、「地域医療の確保と自治体病院のあり方等に関する検討会」(座長:邉見公雄 赤穂市民病院長)を開催し、自治体病院の再編 ・ネットワーク化等について、総合的かつ詳細に検討を行ってまいりました。
このたび、本検討会における報告書(PDF)がとりまとめられました。
1.自治体病院を取り巻く状況
○ 自治体病院を取り巻く状況は、以下のとおり大きく変化するとともに、民間病院とのイコールフッティングの議論もあり、その経営効率化は、喫緊の課題。
・ 自治体病院は、6割を超える団体が赤字(平成14決算)であるなど極めて厳しい状況
・ 地方財政全体の収支不足額が14.1兆円 (平成16地方財政計画)、地方財政の借入金残高が204兆円(同)となるなど、地方財政は極めて厳しい状況
・ 道路整備の進展等により、病院までの移動時間は大幅に短縮
・ 情報化による遠隔医療システムの導入の進展等
・ 将来的な人口減に伴う病床過剰の拡大の可能性
・ 地域によっては、依然として続く厳しい医師不足の状況

2.自治体病院の再編・ネットワーク化の必要性
○上記1の状況を踏まえると、個々の病院の問題としてではなく、地域全体で効率的な医療サービスの在り方の検討が重要。特に、例えば二次医療圏単位で、中核医療機能を持つ基幹病院と日常的な医療を確保する病院・診療所に再編するとともに、これらのネットワーク化を進めていくための検討が重要。
○自治体病院の再編・ネットワーク化の効果は以下のとおり。
・ 新たな医療ニーズに対応した医療サービスの提供が可能
・ 機能分担による機能の特化により効率的な医療提供が可能
・ 基幹病院への医師の集中により医療の質が確保されるとともに、医師を確保しやすい環境となる。
【参考:既に再編が行われた山形県置賜地域(病床数132床減、基幹病院を設置し、それ以外の病院をサテライト化)においても、再編前に比べ、延外来患者数1.9%、延入院患者数4.9%増、医師数29名増等の効果があった。】

3.自治体病院の再編・ネットワーク化の検討手順
○自治体病院の再編・ネットワーク化の検討にあたっては、例えば以下の手順による現状分析が重要。(分析のために必要な作業表を提示)
1) 地域における必要な医療内容の分析(中長期の見通しを含む)
2) 医療提供体制、自治体病院が果たしている役割及び今後果たすべき役割の分析
3) 病院の配置状況、各病院における手術件数等を分析の上、医療サービス面、コスト面の課題を抽出し、可能な再編・ネットワーク化の在り方を検討

○分析結果の評価にあたっては、以下の視点に立って現実的な評価検討を行うべき。
1) 地域にとって必要不可欠な医療が提供される体制をどのように構築すべきか。
2) 20年後、30年後まで持続可能なシステムは何か。
3) 住民の方々の利便や将来コストも念頭におき、実現可能な方策は何か。

4.自治体病院の再編・ネットワーク化のための計画策定とその実現にあたって
○自治体病院の再編・ネットワーク化のための計画策定にあたっては、以下のことに留意する必要がある。
・住民のための計画づくりという基本姿勢を貫くこと
・丁寧な住民説明を繰り返し行うこと
・地域によっては、他の公的医療機関等の機能を念頭においた検討を行うこと
・市町村間の調整や医療計画との関係もあることから、都道府県が主導的役割を果たすべきこと
・市町村は、住民との関係において積極的な役割を果たすこと
・都道府県立中央病院も相応の役割を果たすこと
・大学(医学部)も積極的な関わりを持つこと

○ この計画実現にあたっては、病院開設者間の十分な連携が図られるよう、広域連合や一部事務組合を活用するとともに、この広域連合等に都道府県が職員の派遣等の協力を行うことも有用である。
○ また、自治体病院の再編・ネットワーク化を促進するため、医療計画上できる限り柔軟な運用が求められるとともに、必要な財政支援措置の在り方についても検討すべきである。

5.その他自治体病院間の連携の促進について
○ 上記のような再編・ネットワーク化の検討に至らない場合においても、以下のような、病院間の協力による効率化努力への取組が期待される。
・近隣の自治体病院との事業統合による機能分担
・自治体病院間、さらには民間医療法人立病院を含めた医師の相互派遣による協力
・自治体病院間での電子カルテによる医療情報の共有と医療の共同化
・自治体病院間での共同購入等による医薬品や診療材料等の効率的調達