『年金記録漏れ・・全国社会保険職員労働組合が社保庁と結んだ100の覚書が元凶・・日経ビジネス2007年7月9日号・・自治体財政健全化ガイドラインでも焦点となろう』(長 隆)
「45分コンピューターの作業したら15分休む」!!・・・という驚くべき覚書があった。国民に全て公開してもらいたい。
2004年8月に発足した「社会保険庁のあり方に関する有識者会議」のメンバー 香川県坂出市の松浦稔明市長が今から3年前に「社保庁と労組がいかなる協定を結んでいるか、先ず出していただく・・とことんやりますと村瀬長官以下に厳しく繰り返した。
これを無視した政府に最大の責任があるのは当然。しかし、自治労を最大の支持母体とする民主に攻める資格はないと酷評されている。
ちなみに松浦坂出市長は坂出市立病院の改革で知らない人はいない実行力と見識ある人物です。
2007年秋までに閣議決定に基ずいて総務省が示すこととなる、公立病院の財政健全化のガイドラインにおいては年金問題の轍を踏まないよう労働組合との協定・協議・医師会との協定などは全て住民に公開されるよに定められるべきと思います(長 隆)
参考記事
【主張】現業地方公務員/許されぬ常識外れの高給
2007.07.05 産経新聞
法外なヤミ手当の横行など地方公務員の不透明な給与体系に納税者の厳しい目が向けられているが、清掃員や運転手など現業職員についても、常識はずれの高給が支払われている実態が総務省の調査で明らかになった。
調査は平成18年4月時点での全国47都道府県、15政令指定都市の清掃職員、学校給食員、用務員、運転手、守衛、電話交換手など計7業種について行われた。この種の全国調査は初めてであるが、その内容には改めて驚かざるを得ない。
民間企業の同じ職種に比べ、平均月給で1・40倍から1・87倍、ボーナスも含めた年収ベースで実に最大2・14倍の給与が支払われていた。守衛業務で月給60万円超の職員もいた。
多くの地方自治体が財政難にあえぎ、北海道夕張市のような財政破綻(はたん)も懸念される自治体が少なくない中で、信じがたい大盤振る舞いである。
背景に、税金を使うコスト意識に乏しい地方自治体独特のなれ合い的労使慣行が指摘されている。首長が選挙の集票マシンとして職員組合を利用し、見返りに職員の待遇アップで応えるという構図も地方では珍しくない。
現業職員の給与は人事委員会の勧告による一般行政職と異なり、労使間の労働協約で取り決める。そのことも不透明な給与体系をもたらす要因になっている。組合側は民間同業種との比較より、一般行政職とのバランスを優先するよう求め、これを自治体側も安易に受け入れるケースが多いからだ。
技能労務職と位置付けられる地方公務員の現業職員は、年々減少傾向にはある。平成18年度末で約300万人とされる全国の地方公務員に占める現業職員は約19万人で、30年前に比べれば半減した。
しかし、だからといって民間との著しい給与格差を放置する理由にはなるまい。なにより、こうした現業部門を公務員職として維持する必要があるのかどうか。業務によっては民間委託を積極的に進める必要があろう。
総務省は近く菅義偉大臣名で、給与情報の開示と給与体系の見直しを含めた総点検を行うよう各自治体に求める方針という。当然のことである。各地方自治体も実態を真摯(しんし)に受け止め、早急な改善につとめるべきだ。
参考記事
「坂出市立病院の経営健全化に取組む」
(香川県坂出市長・松浦稔明)
「社会保険旬報」2005年2月11日発行(No.2234)
病院の赤字解消へ
やる気のある院長を
自治体病院の繰入金と経常損失をあわせると、平成14年度で1兆5,000億円にも上る(『地方公営企業年鑑』)。そういう中で大赤字を負っていた一自治体立の病院が単年度収支で黒字になった。この取組みを中心に話をしたい。
坂出市立病院改革の発端は、市長選挙である。私は平成元年の市長選に初めて出たとき(以降4期連続)、かなり激しい選挙をやり、私の義母が市内で約500床の病院を経営していたので、相手陣営からは、私が市長になると市立病院をつぶすにちがいないということを大変宣伝された。そこで調べてみたら、16億円ほどの赤字があることを初めて知った。そのとき、「この赤字病院を立て直す」ということを公約の一つにしなければならなかった。
16億円というのはただごとではない。自治省(現総務省)からもきびしい指摘を受けるようになった。
病院の予算査定のとき、病院長からいろいろ説明をきいた。私が見た数字は完全に語呂合わせで、収入を増やしてバランスをとっているが、実際にそういう収入はない。私はその査定の席で、「院長、こんなに甘い考えじゃだめです」といった。病院長といえば別格の偉い人という社会通念の中で私がそういうものの言い方をするものだから、当時は助役をはじめ、みながびっくりしていた。
その翌年からは、私がそういう指摘をすると院長は、「実はもう自分は辞めたい」というので、医師を派遣してもらっていた某大学へ院長の交代をお願いにいった。そのときに、「内部昇格でどうか」といわれて、「こういう体制の中で内部昇格は考えられない。どうしてもやる気のある院長がほしいのだ」と述べた。
医師をはじめ職員は全く親方日の丸感覚で、逆に私の言動に反発し、サボタージュのようなことが起こった。私は大学へ行って、「早くしてもらわないと。みなさんやる気をなくしているんだ」といったところ、「やる気をなくすのは当然だ」という言葉が返ってきた。私は「このおかしな親方日の丸感覚の大元は大学なのか」と改めて認識し、大学を変える決意を固めた。
そのとき、前からよく存じあげていた香川医科大学長の入野昭三先生が「手伝ってやる」といわれた。香川医大はまだ新しいので、公立病院が一つほしいということもあったのだろう。
医師会からも「市長、香川医大に行ってみませんか」といわれ、打ち合わせを重ねるうちに出てきたのが塩谷泰一という大変有名になった院長である。
某大学からは急に院長の適任者がいると言ってくるし、医師会からはなぜか猛烈な反発が起こったが、意に介さず塩谷院長を起用した。彼は就任するなり朝8時には玄関の前に立って、遅刻してくる医師・職員を片っ端からチェックしかけた。そのやる気を十分確かめて、全庁あげての支援策をとることにした。
自治省からは大変きびしい通告があった。その内容は「病院の縮小・廃止、全職員の減給等も含めて考えるように」というものであった。
私は組合(自治労)との交渉に入ったが、ここでも親方日の丸意識が強かった。最初の交渉のとき、市長就任一期目の私は「病院の赤字に対して、市長は経営責任をどうとるのか」と言われ、大変面食らった。それでも話し合いを壊すわけにはいかないので、「病院の赤字は私と君たちとは半々の責任がある」と答えたのを記憶している。
その過程で私もちょっと驚いた話がある。前述のとおり、職員の減給は自治省から出た話であったのだが、その話を私の意思として公表したところ、社会党の某代議士が自治省にねじこみ、その結果、朝日新聞に自治省の談話として「病院の支援策として職員給与に手をつけるという話は未だかつて聞いたことがない。定期昇給延伸は無意味だ」と市を批判する記事が記載されて反改革派を勇気づかせ、不愉快な思いをした。
そのとき、得体の知れない怪物を相手にしているような気がして、頼れるものは自分自身しかないと改めて痛感した。その後、私を支援していただいた自民党の先生方には、「ここはどうぞ黙って見ていてください。おかしくなったらすぐ選挙で勝負します」と頼んだことを覚えている。
単年度は黒字に
建て替えは諦める
平成3年に院長が持ってきた市立病院の予算をみると、1億5,000万円の赤字が出る。私は単純に3等分して、5,000万円は市民のみなさんに税金で助けてもらう、5,000万円は、職員で血を流す、あとの5,000万円は、坂出市立病院は近郷からも患者が来ているので、県に支援を仰ぐことにした。「県に行ってもらってくる」といって私は議会へ行ったが、県はくれなかった。しかし、へき地医療とかいろいろ名目をつけて5,000万円ぐらいを支援してくれたように思う。
その結果、院長もがんばってくれて600万円の黒字が出て、単年度の赤字はどうやら免れた。そこで、累積した大赤字、16億円あった赤字が24億円まで増えていたから、この赤字をどうするかという話になる。このような赤字を抱える病院があるのは、国自体も非常に困ったのではないかと思う。だから、自治体が赤字を解消する姿勢を示していくと、国もそれに対して特別交付税でみてくれたり、県も自治振興資金を貸してやろうということになったのである。しかし、これらはいずれも国民の税金であることを忘れてはならない。
このような施策が打たれてきて、経常収支への繰入金累計がトータルで15年度までに37億4,000万円という膨大な額になる。これだけ繰入れをしたわけで、病院が儲けて赤字を解消し不良債権が解消したわけではない。この病院がなぜ評価されるかといえば、医業収支比率が100%をこえて今では120%ぐらいになっているからだ。
こうした状況になって、私と院長との意見の対立が出てくる。たとえば院長は「市長、褒美をくれ」といってきた。「褒美とは何だ」ときくと、「病院を建て替えてもらいたい」という。この病院は昭和40年代前半の建物で非常に古いボロ病院である。
しかし私は、「建て替えは諦めてくれ」といった。どうしてかというと、いま建て替えたら、70?80億円いる。そのような大借金をかかえた病院を背負っていく体力は坂出市にはない。私が選挙で落ちて、革新系の労働組合色の強い人が首長になったらどうするのか。今のようなかっちりした体制は組めないし、君だっていつまでも市立病院の院長でいるわけではないだろう。そういうことをいって、私は院長に諦めてもらった。その代わり、「これだけのボロ病院を医業収支比率100%以上にしたのだから、どこへ行って講演しようと、私は一切文句は言わない。それであんたは有名になれ」と院長にいった。私が言うのだから院長も了解せざるを得なかったと思う。
「思いどおりやれた」と院長
大学人事に危機感
その後、脳外科を新設したいといってきた。しかも病院の医師が市内で講演をするときに、「全員が脳外科をつくってくれといっているのに、一人だけ反対する男がいる。それは市長だ」といったりする。私もハラがたって、「院長とは当分会わない。全部助役を通じて話せ」といって、2年ぐらい院長との交渉を絶ったことがある。
私は医療機器や設備の充実は院長の思い通りやらせたが、規模の拡大については許すことはなかった。しかし病院の経営改革、親方日の丸的体質からの脱却という点では完全に一致しており、その点では共に戦った得がたき戦友だと思っている。彼は16年いっぱいで病院を去り、請われて徳島県の県立病院の総括管理者として栄転していく。
私はそのとき院長に、「後任は大学人事か?」ときくと、「ちがいます。私が選びました」というので、「それならオーケーだ。誰を選ぶのか」ときいたら、「副院長を昇格させる」という。そして塩谷院長は、彼と私の双方の意思により名誉院長とすることにした。大学医局の人事では、どういう感覚をもった人がくるかわからない。経営に全然興味のないような人を回されると、今までせっかくつくってきたムードがだめになってしまう。そういう危機感を私はもっている。
去っていく院長は私に、自分の思いどおりにやらせてくれたといって感謝している。思いどおりにやれる環境は、トップがつくってやらなければ話もつくれない。なかでも大きなウエートを占めるのは労働問題である。
私は坂出市立病院の管理者だが、同時に坂出市全体の医療を考えなければならない立場である。たとえば救急車で心臓停止した人に使用する自動体外式除細動機というのがあるが、それを市立病院に入れるために予算を計上しようとする。しかし、「ちょっと待て。これは救急医療をやっている全病院を対象にすべきだ。それが公平というものだ」という考え方を私はしている。
民間でやるのが基本
公立病院は本当に必要か
坂出市立病院の経営が良くなるということは、それだけ患者を集中させることになり、他の民間医療機関を圧迫する。これは非常に悩ましい問題である。
私は小泉さんではないが、民間でできることは民間でやらせるべきだと考える。市立病院が主導権をとってやっていくよりも、民間の病院に力がある場合には、それに任せるぺきである。市立病院の単年度収支が黒字になったといっても、30億円の売上げでわずかに2,000?3,000万円、いいときで5,000万円の利益で、いつ赤字に転落するかわからない。「今度赤字になったら必ずつぶす」と私はいっている。
市立病院は「縮小も廃止もしない」と私が以前に議会でいったのは、200人をこす従業員がいるからだ。医者や看護師はなんとか飯を食えるだろうが、そうでない職員は一般会計が引き取るか、臨時の職員だったら路頭に迷わないようにする必要がある。だから、一度だけチャンスを与えようということだった。
病院の経営再建には人事・労務管理も重要な要素である。院長が要らないといってくる人間はすべて一般会計で引き取る覚悟が必要である。
給食を例にとると、外部委託によって9,400万円から3,800万円へ5,600万円位の無駄がはぶけるが、同時に12人の調理員が余ってくる。解雇するわけにはいかないので、配置換えと称して一般会計に引き取り、適当な職場を与えて定年退職を待つのである。それでも職員団体の了解は得られない。一方的に押し切って実行するのだが、後になって「ならぬ堪忍をしてくれた」と褒めてやることにしている。
〔質問に答えて〕
私は医者ではないので、今日の話は病院が立ち直る土俵をつくりあげたということで理解ねがいたい。
私の場合は、タイミングがよかったと思う。入野昭三先生という香川医科大の学長をよく知っていたからだ。そのために病院再建の手が打てた。いわゆる医局の人事権に門外漢が手を突っ込むようなことは、まず不可能である。それと関連して痛切に感じるのは、院長を確保するのは非常にむずかしい問題があるということだ。
市立病院と民間との共存共栄がはかれるかという問題は、地域の医療事情によると思う。坂出市には民間の病院が二つ、市立病院が一つある。あとは単科病院が二、三あるが、坂出市立病院が立ち直る以前は、民間病院がすべて担っていたわけだ。隣りの丸亀市には労災病院も県立病院もあるし、高松市へ行くと、日赤、中央病院、医大の病院もある。
このような状況の中で、公立病院が本当に必要なのかなという気はしている。今度また赤字が出てうまくいかないときには、選挙民の動向もよく把握して思いきったことを考えなければならないと思う。
〔追記〕
17年度予算では、坂出市立病院に対する一般会計からの繰入れはゼロである。
参考記事
25億円の赤字を解消
医療費の伸びを穏やかに
香川県坂出市長 中医協委員
松浦稔明
私は医療の専門家ではない。市長として地方行政の責任をもつ立場にあり、市民の皆さんの税をいかに効率的に還元していくかに徹してやっている。
17年目に入った市政の基本的な理念は「市民優先」「市民公平」である。また、「無駄」「むら」「無理」を徹底的に行政の組織からなくしていくことは当然で、私が市長に就任してから20%は無条件で職員を削減し、あとの5%は外部委託等で削減した。
私共の坂出市立病院は当初、16億円の赤字があり、私がその建て直しにかかって相当きびしいことを言った。それに対する医師や職員の反応は鋭く、みるまに赤字は25億円ほどに増えたが、以後、やる気のある院長に代えて、国からの特別交付税や県の援助などを得て赤字を解消していった。
単年度収支、国の財政でいえばプライマリーバランスが現在では完全に黒字に転じている。一般財源から一切繰り入れはしないで今年度は黒字が出ると思う。
平成11年が坂出市の予算規模のピークで260億円程度だったが、毎年10億円近く減らして現在では206億円の予算でやっている。
私は国保代表の中医協委員をつとめているが、国保の財政は大変むずかしい状況になっている。失業者が大幅に増加を示しており、退職者と失業された人は全部国保に流れてくる。国保の保険料収納率も残念ながら11年度からずっと下がりつづけており、全体で90.2%だから、およそ10%が国保保険料を納めていない。しかし、保険料を払わない人には監促をし資格証明も出しながら、国保で国民皆保険を支えつつわが国医療の大前提を堅持しなければならない。
中医協で私は意見を述べるときにいうことだが、医療費はもう少し穏やかな伸びにならないものかと思う。
医師の給与どう判断するか
患者に「私のカルテ」配布
私が平成16年の診療報酬改定の途中から中医協の委員になったときに感じたのは、改定率から個々の診療科目の委員になったときに感じたのは、改定率から個々の診療科目の価格まで中医協が全部決めてしまっているということである。これに対して今回、診療報酬の基本方針は社会保障審議会の医療保険部会で決め、診療報酬の点数は中医協で決めるというように変わった。
中医協資料による医師と坂出市特別職の給与月額を比較したのが表1である。
表1 中医協資料による医師と坂出市特別職の給与月額比較(千円)
平成11年 13年 15年
国公立・公的病院長 1,371 1,300 1,180
同医師・歯科医師 947 989 881
医療法人その他病院長 2,250 2,485 2,306
同医師・歯科医師 947 1,051 968
坂出市長 947 947 885
同助役 731 731 679
同収入役 674 674 628
この表をどう判断するか。医師の給与を高いとみるか低いとみるか。中医協でも議論をしなくてはならないと思っていたが、改定率の決定を内閣はあまりしなくてもいいのかなと実はホッとしている。
冒頭に「無駄」「むら」「無理」 を省くといったが、医療からも「無駄」「むら」「無理」 を省こうという意識を私は常にもっている。また、いま「患者の視点から見た医療」も大きな課題になっており、「医療の透明性」ということも必要である。
坂出市立病院では「私のカルテ」というものをつくって希望する患者に配布している。医療や診療行為の内容に患者さんが関心を持つよう啓蒙・啓発を行いながら、すでに3000部ほどが患者の手元に渡っている。
坂出市立病院の塩谷泰一委員長は私と似たような性格で、お互いにけんかをしながら病院の改善に努力してきた。彼は徳島に去ったが、今でも私は戦友だと思っている。
医療経済フォラーム・ジャパン(加藤寛会長)主催の第4回公開シンポジウム10月20日において