2007.11.19

『医師不足解消と公立病院改革』(長 隆)

 ガイドラインの公立病院改革の最大のポイントは「基本的な考え方・・・公立病院の果たすべき役割の明確化で・・研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点としての機能・・」と答申の冒頭に示した点にあることに注目して欲しい。
 更に財政支援措置として新たな医療機能の整備に要する経費が、年内の予算編成に盛り込まれることは確実であるので、公立病院は年内にも研修医師確保策を策定し、予算編成する必要がある。経営健全化プランも前倒しで年内から始める必要がある。
 改革プランの柱となる研修実施は、病院全体で取り組むべき重い課題である。財政措置を受けられ、研修医に魅力ある経営形態に出来るかが問われる。
 今回の公立病院改革は、医師不足の20年度からの抜本的解決を目指す総務省の硬い決意の表明と言ってよいと思う。医師不足の速やかな解消は、国家的緊急の課題であり地方分権の流れに逆らっているのではないかと言う批判も受けてたつ覚悟でしょう。
 平成14年度から19年度の第5次経営健全化措置は、都道府県を対象団体から除外し、しかも任意とした総務省の政策は、都道府県を甘やかした結果公立病院の中で最も経営を悪化させたと言わざるを得ない。
 各県は巨額な税金投入してきたにも拘わらず、県立病院が豪華建築ではあっても県のセンター病院として医師派遣の役割を まったく担うことが出来ない惨状とさせてしまった。国民に説明の付かない100億を超える各県の税金投入を、医師確保に重点的に振り替えてていただくための技術的手法をガイドラインは示した。
 数値目標による財務経営改善は、主要目標達成のための付随テーマである事に留意すべきである。ガイドラインの提出にあたり、座長として財政局長に特に都道府県に注意喚起を書面(下記)で求めた所以である。
 ほとんどの県が市町村病院を指導できないひどい経営情況であるが、鹿児島県立病院は県でも、やれば出来ることを示してくれた。病床利用率・医業収支比率など合格点である。
労働組合との協議内容公開、特殊勤務手当て全廃などに鹿児島県立5病院が一致結束して、大改革に取り組んだことを高く評価する。
 財政健全化法で数値基準を定め、更にこれに併せて20年度からガイドラインにしたがって改革を事実上義務化させたのも挙げて、医師不足を解消して医療の質を高める事にあることを強調するものである。ガイドラインが財政削減を意図するものでない事は、年末の予算編成で明らかになるでしょう。
再編・ネットワーク・・選択と集中もあくまで医師不足の解消に目的があり、不適切な税金投入は皆無とし、その資金を集中的に医師不足対策に取り組む公立病院に充当して支援を行う事を明らかにしている。新築センター病院などは論外である。
 各地で検討されている 新築センター病院構想は 医師不足を20年度から 直ちに解消できる現実性にかけるので賛成できない。
 19年度からでも前倒しで研修医に認められる経営体質に着手する事こそ優先課題となる。
研修医がゼロの公立病院の存在は難しくなる事を覚悟する必要がある。

(参考)
総務省HPより