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2009.08.17

公立病院の業務委託は、根本から考えなおす必要がある

くわしくは医療経営財務協会HPへ


公立病院の業務委託は 根本から考えなおす必要がある。

公設民営化して、医療の質を高め財政も同時に収支均衡させた「愛知県国保東栄病院」は非正規職員を正規職員化して、士気が高まった。

「業務委託」によるべきか「労働者派遣」によるべきかの検討も大事だが、ひとつの企業(病院)が、複数の命令機構を持つことが、そもそも大問題。

人件費を低くする発想は誤り。給料にふさわしい仕事をしてもらえる、経営環境を整備すべきである。


(以下東日本税理士法人社会保険労務士(有)の所見)

雇用の原則は「直接雇用」であり、雇用主以外の者が指揮命令を行うことはできないというのが原則です。

○労働法の原則

 労働者を実際に指揮命令し、労働力として利用している者が使用者としての法的な責任を全て負担しなければなりません。労働契約などの法的関係も、この実態としての支配・従属の関係にある「使用者」と労働者との間に成立することになります。

 雇用の原則は「直接雇用」であり、雇用主以外の者が指揮命令を行うことはできないというのが原則です。そして労働者派遣のように、この使用者と労働者との間に第三者が仲介に介在する「間接雇用」は、使用者の責任を曖昧にし、労働者の地位を不安定にする不公正なものとして禁止するのが労働法の原則です。

 労働者派遣法による派遣は労働法上はあくまでも例外であるとの位置づけです。

 従って派遣法で認められている場合以外の派遣事業(労働者供給事業)は認められていません。

 

 偽装請負は派遣法で認められている以外の労働者供給事業として職業安定法違反となります。

 偽装請負の場合、労働者は実際に命令を下す会社(注文主)と直接は何の労働契約もしていないので労働基準法が適用外になってしまいます。

 つまり、注文主の会社としてはどんな劣悪な環境で労働者を働かせようと、責任を取る必要がないということになります。

 偽装請負にあっては、賃金が低く、労働災害の際にも受入れ企業側(注文主)の責任が曖昧となり、しかも注文主は簡単に実質上の解雇手続き等をとることができ、労働者保護の要請に欠ける等の様々な問題が生じています。

 労働者派遣契約の場合は注文主は労働者に対し負う労働基準法上の義務が重くなるため、それを逃れるために契約を請負としている場合もあります。

 請負労働者の労務管理の責任は請負業者側にあります。しかし、偽装請負の状態で作業中に労災にあっても、現場で仕事を指揮していない請負業者と雇用契約のない注文主双方の間で「責任の押し付け合い」になるケースが多いとのことです。

 

<労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準>による <請負とみなされる要件>

1.自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するものであること

以下のすべてを請負事業主が直接自ら行っていること

○業務方法の指示

○業務遂行の評価

○始業・終業時刻、休憩・休日・休暇等の指示

○時間外・休日労働の命令及び管理

○服務規律の設定、指示、管理

○労働者の配置、勤務表等の設定、変更

2.自己の業務として当該契約の相手方から独立して処理するものであること

○自己責任による資金の調達、支弁

○民法、商法、労働基準法、安全衛生法、その他法律上の事業主責任の遂行

○機械、設備、機材、材料等の自己調達により業務が行われていること

注文者側の無償使用ではなく、少なくとも賃貸借契約等により費用を負担していること

○専門的な企画、技術、経験により自己の独立した業務の遂行がなされている

単に肉体労働の提供ではないこと

 

 労働者派遣か請負かは、契約形式ではなく、実態に即して判断され、労働者と注文主との間に指揮命令関係があれば、上記<請負とみなされる要件>に該当せず労働者派遣と判断されます。

 業務委託を受け請け負った会社が注文主のもとへ社員を送り、送った社員が注文主の指揮命令を受け業務を行う場合、これは請負ではなく労働者派遣と判断され、派遣事業の許可や届出の受理を受けていない業者が行う時は、労働者派遣法に違反するとともに、職業安定法違反となります。

 また、この場合は労働基準法第6条にも抵触します。

 実際に働く職場の使用者でない第三者(請負会社)が職場(注文主)と労働者の間に介在して「中間搾取」が行われていると考えられるのです。