『「公立病院改革 具体的提言なし」毎日新聞11月13日報道に反論する』(長 隆)
記事では公立病院改革の実効性に以下のように 懸念表明をしている・・・
「過疎地での医療提供や救急・産婦人科など、公立病院が担うべき役割は依然大きい。ガイドラインは、その役割を明確にした上で経営の効率化基準を設けたが、経営の安定に向けた具体的な提言には至っていない。
隠岐広域連合立隠岐病院の武田博士院長は「隠岐病院はまだ年1億円ほどの赤字があるが、医師の専門領域を取り払うなど多種多様な医療が提供できるよう一丸となって改革を進めている。病院も自助努力が必要だ」と語る。しかしガイドラインが打ち出した外部からの人材登用などは「現実に確保は困難。絵に描いた餅になりかねない」との指摘もあり、実効性があるプランを地域ぐるみでどう策定していくかが問われている。」
上記記事でも公立病院の役割を明確にした上で経営の効率化基準を設けたとしているが、ガイドラインの冒頭に掲げた事に注目していただきたい。
・・ガイドラインが絵に描いた餅にならないようにするためには医師確保で頑張っている先進自治体病院 (兵庫県加西市民病院・大阪府泉大津市民病院等)の事例に学べば、具体的に確実に回答を得られるはずである。
公立病院改革の最大の狙いは「基本的な考え方・・・公立病院の果たすべき役割の明確化で・・研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点としての機能・・」と答申の冒頭に示した点にある。
更に財政支援措置として新たな医療機能の整備に要する経費が、年内の予算編成に盛り込まれることは確実であるので公立病院は年内にも研修医師確保策を策定し予算編成する必要がある。経営健全化プランも前倒しで年内から始める必要がある。
改革プランの柱となる研修実施は、病院全体で取り組むべき重い課題である。財政措置を受けられ、研修医に魅力ある経営形態に出来るかが問われる。
具体的提言は成功例を視察して自分で考えて欲しいということである。なお、再編ネットワーク化を目指す事を具体的に求めているが、決定能力のある形態・・複数自治体の独立行政法人(非公務員型に限る)化がまず最初にすべき事である。複数病院を単独、独立行政法人の開設にしてから議論を始めるべきである。
選択と集中の議論は後順位になる。
各自治体の地元利益のぶつかり合いの仕組みの中で無駄な時間を費やすべきではない。
(参考記事)・・統合の議論の前に掛川市立総合病院と袋井市民病院は、経営形態を単独の独立行政法人化すべきである。2市の合併は困難だが、2病院の連合体(事務組合は不可)は実現可能・・連合した独立行政法人がまず先行することをガイドラインは求めている。
簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律
(平成十八年六月二日法律第四十七号)
第55条 5項
地方公共団体は・・・地方公営企業について、組織形態の在り方を見直し、又は一般地方独立行政法人(非公務員型)・・・その他の法人への移行を推進するものとする。
(長 隆)
質向上へ構造改革必要、寺尾浜医大学長が西部の医療事情を解説?中区で講演会
2007.11.17静岡新聞
浜松観光コンベンションビューロー主催の「ふれあい講演会」(静岡新聞社・静岡放送後援)が十六日、浜松市中区のホテルで開かれた。浜松医科大(同市東区)の寺尾俊彦学長が「遠州地域と医療」と題し県西部地域の医療事情を解説した。
寺尾学長は、中東遠地域の人口十万人当たりの医師数が全国平均を大きく下回る実態や、赤字状態の自治体病院の財政状況を紹介し「財政難と医師不足で地方の医療は住民にとって満足できるものではなくなっている」と指摘した。その上で、大病院と診療所の関係を大型ショッピングセンターと商店街の関係になぞらえ「二十四時間救急受け入れができる大型病院と診療所が連携するのが理想で、これができれば医療の質が上がる」と地域医療の構造改革を促した。
掛川市立総合病院と袋井市民病院の統合問題にも触れ「合併ができれば地域医療の可能性が広がる」と病院統合に前向きな姿勢を示した。