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2008.10.06

【講演】『根室市の特殊性を踏まえた地域医療の確保とあり方について』(北海道)

講演会は終了いたしました。講演会の記録はこちら

当法人 長隆が講演いたします。


北方領土を望む、納沙布岬を有する根室市。
北海道の東端に位置する根室市は、特急が走らず、札幌市から7時間以上掛かり、北海道の広さを感じさせられる場所である。
現在、3万人の人口を抱えながらも、人口減少が続き、かつての活気が薄れている。
そんな中、市立病院の経営が逼迫している。
患者数の減少はもちろんだが、根室の町に留まる常勤医師が減り、収益が悪化している。
総務省公立病院改革懇談会座長・長隆氏(東日本税理士法人)を招き、総務省公営企業(自治体病院)アドバイザーを通して、携わった全国の再建事例を踏まえて、市立根室病院建て直しへ向けての講演を行います。

タイトル:「根室市の特殊性を踏まえた地域医療の確保とあり方について」
医師確保抜本対策の提案  北方四島医療拠点病院の指定を目指して

主催:根室市保健医療対策協議会

講師:長隆(おさたかし) 
 公認会計士 (東日本税理士法人 日本ヘリ共同運用機構 代表社員)
 総務省公立病院改革懇談会座長・元総務省公営企業(病院会計)アドバイザー

日時:10月6日(月) 15時から16時30分 
場所:根室商工会館
対象:根室市関係者 各マスコミ関係者


根室市でのヘリの活用の可能性についても 特にお話いたします(要旨)

医師のためにヘリコプターを活用することを提案!
ドクターヘリ、防災ヘリは患者搬送のためにある⇒医師の利便性にはリンクしない
                       医師移動に使うことができない
3次救急を担うドクターヘリは、1次・2次救急を担う地域医療の安定により、より高い効果を生み出す
ドクターヘリだけでは、地域医療を救うことはできない
医師・看護師が、自由にヘリコプターを使用することで地域医療安定への可能性は広がる!

●医師が地方に向かわない理由
経験少ない若い医師は、後ろ盾の薄いことへの不安を持つ
学ぶ機会から遠ざかるという感覚になる
都会との距離による閉塞感(特に離島では)
志しある医師は多く存在する
しかしながら、上記の要素が原因で一歩踏み込めないでいる
⇒若い人ほどに事例、研究、刺激を求める
地方医療を安定的に担っていくことが役割、存在意義である地方病院では、それら医師の琴線に触れる病院にしていくのは簡単ではない⇒他の病院との連携強化でカバーが現実的
医師が求めるのは、先端の現場に触れられる、先端に取り組んでいる医師と顔をつき合わせ、情報交換を行えること⇒ヘリコプターの導入により、行くことも来てもらうことも安易に行える
先駆的取り組みを行っている病院との連携強化へ、ヘリコプターの活用による時間的距離を縮めることにより、可能性を演出できる

●医師を派遣する側の考え
「距離が遠くになるほどに、時間のコントロールができず、派遣への拒否反応が高まる
常時働いている病院でも、仕事を抱え、医師が一人でも離れれば、残っている医師の負担が増大する
ヘリコプターの導入は、その改善を図り、派遣しやすい環境を作る可能性がある」
(札幌医大教授 談)
根室市においては、このことも大きな一つの要因により、派遣を敬遠されているのでは
移動に時間が掛かり、その日の働く時間が短くなっても、派遣する側は派遣費用を1日分として請求する
移動時間が長いほどに時間的・利益的ロスをしている事に、派遣を受ける側は気づいていない
派遣費用が10万円だった場合、半日しか働かなければ、5万円のロスと共に、更に診察時間半減による利益も失っている
(派遣病院事務局長 談)
派遣を受ける側は、今ある交通の選択肢の中でしか判断できていない
その選択肢に、ヘリコプターが組み込まれることが、大きな改善策に成りえる

●根室市としての地理的な状況から
公共の乗り物の高速化は望めない
高速道路の建設も同じ
更に経済界の見方は
「すでに公共事業としての高速道路は、予算の少ない中で地方での引き合いでしかなく、早期の延長は見込めない
今後において、北海道では新しい交通形態を模索しなければならない
その中でヘリコプター活用の可能性は大きい」
(北海道経済連合会役員 談)
根室市こそ、ヘリコプターを公共的乗り物として考えるべき地域であると思われる

●北方領土との連携、結びつきに向けて
離島への移送手段は、基本は船となる⇒時間的ロスが大きい
ヘリコプターの常設は北方領土との結びつきに心強い味方となる
北方領土拠点病院としての役割を果たすには、ヘリコプターの常設は不可欠


エピローグ
ヘリコプターは日本においては、「金持ちが使うもの」「空を飛ぶので事故が起きやすいのでは」という固定概念が強い
年間に亡くなる人は、ヘリコプターの事故に伴う人よりも車での事故のほうが圧倒的に多い

「当たり前だ」という人も多いと思う
しかしながら車での事故が周りで起きても、皆さんは車に乗っている
どこかで「自分は大丈夫」という感覚が植えつけられている
日常化されることによる「麻痺」である
どこかでヘリコプターは「非日常」と考えられ、一つの事故のニュースで、不安が増大しているのである
車での事故もヘリコプターでの事故も何も変わらないのに
日本のヘリコプター金額が高いのは、それだけしっかりとした安全管理と整備がなされているからである
機種へのこだわり、選定もしっかり行っている
他の国に比べても、事故率は低く、故障も少ない
日本のヘリコプターは他の国ではとても高く売れるのは、それが理由であろう
そのことを踏まえ、ヘリコプターの能力、機動性を捕らえたとき、これほどに便利な乗り物はないだろう
今後においてヘリコプターが、皆さんにとって車や飛行機と同列に並び、選択肢の一つとなり、病院再建の一助となることを期待する

参考
●ヘリコプターの金額とフライト時間
1時間チャーター(200km移動) 40万円
海を超える場合        55万円
1年間チャーター       約1億円+初期投資(ヘリ倉庫他)
⇒沖縄北部地区医師会病院でのチャーター金額を参考

ちなみにドクターヘリは2億円+初期投資
国からの補助 8000万円
道からの補助 8000万円

ヘリの飛行時間 (別紙参照)
根室?中標津 18分  根室?釧路 34分

●通勤・回診ヘリにおける厚生労働省の補助体制
19年度より、2億2千8百万円を予算化(半額負担・消化事例なし)
21年度に向けて、へき地、離島への派遣医師への通勤補助を厚生労働省が19億円概算要求


国からの補助があれば、根室?中標津間は片道6万円に(ヘリの常設が条件)
ちなみにタクシーは3万8千円

●ヘリコプターの能力
一般的には車での移動感覚が強いので、青色看板に書かれている距離で判断されやすいが、そうではない
障害物がなければ直線距離での判断(皆さんが想像するよりも近い)

飛ぶ高さは500メートル前後
飛べる基準は風の強さよりも視界の広さ(車と同じ有視界飛行であるため)

●離着陸はある程度の広さと障害物がなければ、可能
国土交通省への届出を行えば、多くのエリアで乗り降りができる
⇒空港や整備されたヘリポートが必ずしも必要ない

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