2005.06.15
「医療法人制度改革の基本的な方向性」への提言3
2005年(平成17年)6月15日(水)Japan MedicineNo.844
寄稿
「医療法人制度改革の基本的な方向性」への提言3
東日本税理士法人
会計士補 長 英一郎
個人の連帯保証を不要に
社会福祉法人と同様の制度を
10日号に引き続き、「医療法人制度改革に関するご意見の募集について」への提言をしたい。
◆厚生労働省の意見◆ 認定医療法人の介護福祉事業
○認定医療法人(仮称)が行う事業については、(中略)収益事業又は児童福祉事業、障害者福祉事業、障害者福祉事業若しくは介護福祉事業を行えるようにする
◆筆者の見解◆
独立行政法人社会福祉機構は、社会福祉法人などが社会福祉事業施設の設置・設備に必要な資金を借り入れる場合、社会福祉振興試験センターに一定の保証料を支払うことを条件に、代表者個人の連帯保証を不要としている(図参照)。
しかし、医療法人が社会福祉機構より融資を受ける場合、上記のような制度はなく、理事長および施設管理者(院長、介護法人保健施設管理者)を含む2人以上の連帯保証人が義務付けられている。
特定医療法人では、出資持分の相続人は出資持分の払い戻し請求権がない半面、保証債務を負うため、特定医療法人移行をためらう医療法人も少なくない。
保証債務(経営責任)の対価としての給与の支給は、勤務とは無関係であるため、税務上、損金算入が認められていない。非常勤で医療法人の経営に参画し保証債務を負っている社員については、社員総会の日当の支給しか認められていないのが実態である。
そのため、保証債務が剰余金の配当禁止に接触するような高額の役員報酬を支給する動機の1つになっている。
認定医療法人が、介護福祉事業を実施できるのであれば、社会福祉法人のように社会福祉事業施設の設置が可能になる。認定医療法人に財務状況の開示と公認会計士などの財務監査を義務付けるのであれば、社会福祉法人と同様に個人の連帯保証については不要とする制度の創設を望みたい。


